スポーツ現場におけるハラスメント防止を学ぶ「マイクロアグレッション」
マイクロアグレッションとは?
「マイクロアグレッション」とは、言動の背景に、相手方が属する特定のグループ(人種、性別、性的指向、性自認、障害等)に 向けた偏見や、無理解、差別が含まれていることにより、発言等をした本人の意図にかかわらず、相手を傷つけてしまうことをいいます。 マイクロ(micro)は「小さな」、アグレッション(aggression)は「攻撃」を意味するとおり、 日常における些細な言動が攻撃となってしまうことから、「自覚なき差別」などともいわれています。 このような言動の背景には、相手方の属するグループに対する無知や思い込みがあることが多く、 それゆえに、無自覚に相手に不快な思いをさせたり、相手を傷つけたりしていることもあるため、注意が必要です。
マイクロアグレッションの例
- 「●●なのに××ですね。」「さすが●●だから、××ですね。」など、相手の属するグループに対する偏見や先入観を前提とした発言
- (外国人選手・職員なのに)日本語が上手ですね。奥ゆかしくて日本人ぽいですね。
※外国人は日本語ができない/権利主張が強いという偏見や思い込みが入り込んでいる。 - さすがブラジル出身だから違いますね。
※ブラジル出身者はサッカーができるというステレオタイプが入っており、本人の努力が無視されている。 - (欧米人だから)肌が白くて羨ましい。(黒人だから)日焼けを気にしなくてよさそう。
※人種に対する偏見や思い込みが入っている。 - 女性なのにこれだけの事ができてすごい。
※女性は能力が低いという偏見がある。 - 新人なのによく戦術を理解できているね
※新人選手は能力が低いという偏見がある。 - 歳なのに集中力がある。その年でそこまで動けるなんてすごい。
※年齢が上の人は集中力がない/運動能力がないという偏見がある。また、あなたは年寄りだという隠れたメッセージがある。 - 「●●のくせに××だ」など、相手の属するグループに対する偏見やステレオタイプが入り込んでいる言動
女のくせに意見を言うな。女のくせに生意気だ。
※女性は男性のいうことに従うべきというステレオタイプが入っている。 - 男のくせに声が小さい。男のくせに弱音を吐くな。
※男性は声が大きい、弱音を吐露してはいけないという偏見が入っている。 - 新入のくせに元気がない。
※若者は絶対に元気よくあるべきというステレオタイプが入っている。 - 言動の背景に●●はこうあるべきだ/こういうものだという偏見やステレオタイプが入り込んでいる言動
男性なのに雑用を進んでするなんて良いマネージャーさんを持ちましたね。
※雑務は男性はせず女性がするものであるという偏見が背景にある。 - (女性に対して)男性に生まれてくれば良かったですね。
※女性では選手として社会で活躍できない/女性は男性に劣っているものだという偏見がある。 - 女性なのに何故そんなに頑張りたいのですか。
※女性は選手や職員よりも家庭に入るべきだというステレオタイプがある。 - チームの受付や広報は必ず女性から選出する。資料のコピー等雑務を必ず女性職員に頼む。
※雑務は女性のするべき仕事であるという先入観がある。 - 大事な仕事は必ず男性職員に頼む。
※女性は能力が劣っているものだという偏見がある。 - (女性選手・職員に対して)彼氏/(男性選手・職員に対して)彼女はいるの?
※異性愛を前提とした問いかけになっている。 - 男なのだから全部自分でやって一人前だ。
※男性は人に頼ってはいけないという隠れたメッセージがある。
チームとして取り組むハラスメント防止対策
マイクロアグレッションは、些細な攻撃の名のとおり、本人も周りも気づかないことも多く、仮に指摘されても、自分は褒めたつもりであった、相手が気にしすぎである、といった認識で片付けてしまいがちです。
これを防止するには、マイクロアグレッションの問題を認識させるべく、チームのホームページやハラスメント研修等でマイクロアグレッションの存在やその例、またこれを看過することの弊害を、周知、啓発することが何よりも重要です。
これに加え、仮にそのような言動があった場合でも、気づいた人が指摘しやすい環境を整えることや、気軽に相談できる相談窓口を設けることを通じ、言動が繰り返されたり、被害者が抱え込んだりすることを防ぐことが重要です。
