パワーハラスメント

スポーツ現場におけるハラスメント防止を学ぶ「パワハラ」

パワーハラスメント(パワハラ)とは?

スポーツ現場におけるパワーハラスメントは、スポーツ現場において行われる

(1)優越的な関係を背景とした言動であって、
(2)運営上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
(3)メンバー或いは職員の活動環境が害されるもの

であり、(1)から(3)までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
なお、客観的にみて、運営上必要かつ相当な範囲で行われる適正な指示や指導については、スポーツ現場におけるパワーハラスメントには該当しないとされています。

パワハラのない環境づくりに向けて

①パワハラについて正しく理解すること

どういった行為がパワハラとなるのか、その基準はどのようなものなのかを正しく理解することで、適切にご自身の行動を振り返って改め、パワハラとなる言動をしないように気を付けましょう。また、ご自身の周りにも正しい理解を広め、パワハラのない職場づくりをしましょう。

②パワハラのない環境づくりに向けて

現場におけるコニュニケーションの活発化・円滑化

関係者の誰もがパワハラの行為者・被害者の双方になることを防止するうえで、コミュニケーションは重要です。運営上必要かつ相当な範囲内で行われる、適正な指示や指導については、パワハラには該当しません。メンバーがこうした適正な指示や指導を踏まえて、真摯に運営していく意識を持つことも重要です。そういった意識をチーム内で広めるためにも、日常的なコミュニケーションをとるよう努めることや、定期的に面談やミーティングを行うことにより、風通しの良い環境や、互いに助け合えるメンバー同士の信頼関係を築きましょう。コミュニケーションが円滑であれば、パワハラを未然に防ぐことができ、万が一起きてしまった場合にも相談しやすい雰囲気となるでしょう。

③パワハラのない環境づくりに向けて

感情をコントロールする手法を学ぶ

ついつい被指導者の態度に怒りを覚えてしまうといった場合や、チーム内に怒りっぽい人がいる場合には、感情をコントロールする手法を学んでみましょう。感情をコントロールする手法についての研修、コミュニケーションスキルアップについての研修、マネジメントや指導についての研修などを受講してみるのもいいかもしれません。

スポーツ現場におけるパワハラの状況は多様ですが、代表的な言動の類型としては6つの類型があり、類型ごとに典型的にパワハラに該当すると考えられる例を挙げます。

※ これらの例は限定列挙ではありません。また個別の事案の状況等によって判断が異なることもありえますので、事業主の方は十分留意して、スポーツ現場におけるパワハラに該当するか微妙なものも含め広く相談に対応するなど適切な対応が必要です。

なお、以下の例については、優越的な関係を背景として行われたものであることが前提です。

事例1.身体的な攻撃
  • 殴打、足蹴りを行う
  • 相手に物を投げつける
  • 水分補給を禁止したり、暑い日や寒い日に外に立たせておく等、体調に影響を及ぼすことが想像できる命令をする。
事例2.精神的な攻撃
  • 人格を否定するような言動を行う(※1)(相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。(※2)
  • 戦術・運営の遂行に関して必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う
  • 他のメンバーの面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行う、物を叩いて威嚇する。
  • 相手の能力を否定し、罵倒するような内容のLINEメッセージや電子メール等を当該相手を含む複数のメンバー宛てに送信する

※1)外国人であること、特定の国・地域の出身や特定の国・地域にルーツがあること等についての侮蔑的な言動も含まれます。
※2)相手の性的指向・性自認の如何は問いません。また、一見、特定の相手に対する言動ではないように見えても、実際には特定の相手に対して行われていると客観的に認められる言動は含まれます。なお、性的指向・性自認以外のメンバーの属性に関する侮辱的な言動も、パワーハラスメントの3つの要素を満たす場合には、これに該当します。

事例3.人間関係からの切り離し
  • 自身の意に沿わないメンバーに対して、運営活動から外し、長期間にわたり、他所に隔離したり、自宅待機させたりする
    一人のメンバーに対して集団で無視をし、チーム内で孤立させる
事例4.過大な要求
  • 長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での技能の習得に直接関係のない作業を命ずる
  • 育成段階で入ってきたメンバーに対し、必要な教育・訓練を行わないまま到底対応できないレベルの目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する
  • メンバーに目的とは関係のない私的な雑用を強制的に行わせる
事例5.過小な要求
  • メンバーを辞めさせるため、誰でも遂行可能な雑務ばかり行わせる
  • 気にいらないメンバーに対して嫌がらせのために練習・運営に参加させない。
事例6.個の侵害
  • メンバーを活動外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする
  • メンバーの性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該メンバーの了解を得ずに他のメンバーに暴露する(※1)

※1)プライバシー保護の観点から、機微な個人情報を暴露することのないよう、メンバーに周知・啓発する等の措置を講じることが必要です。